極地118号
¥1,100
今号では「南極観測における医療と医学研究」を特集企画しました。
南極は低温、限られた人数での文明圏からの隔離により、生活環境として過酷な面が多々あります。昭和基地でミッションを遂行する約30名の観測隊員にとって、ケガや病気になった場合に頼りになるのは医師であり、医療体制です。60年近く前には、急性虫垂炎の手術を通信室で行いました。現在の昭和基地の医療体制は、その頃と比べれば大きく進歩はしたものの、それでも医師が処置できる範囲は限られています。本企画では、昭和基地で越冬中の医師による現診療所や医療体制の紹介や、標高3810メートルでマイナス80度近くまで気温が下がるドームふじ基地で越冬した医師による、低酸素下での越冬の様子、医療体制等が紹介されています。また、10年間に及ぶ越冬隊員へのアンケートにより、越冬中に隊員達の心の中・感情がどう変化するか、越冬のストレスと身体についての論考も掲載しました。
この他、ジュニア会員用と銘打って連載している「極地への夢」も5回目を迎え、今号では南極観測隊員へとつながったお二人のユニークな道のりが披露されています。